2022年度 第1回勉強会報告
「性の話を扱うためのアティチュード研修」プログラム構築への挑戦

2022年度 第1回勉強会報告

「性の話を扱うためのアティチュード研修」プログラム構築への挑戦(オンライン)

講師紹介

柳田正芳(当会会員)

2006年中央大学卒業(専攻は社会学)。在学中の2002年より、日本家族計画協会が活動を支援する若者委員会U-COMにて事務局長。卒業後、企業勤務などを経て、2009年にNPO法人ティーンズサポートの事業事務局長として、渋谷の街の中に「相談と検査ができる街の保健室 ティーンズルーム渋谷店」を出店する事業に参加。同年、フリーランスとして開業し、性教育の分野で、講演/ワークショップ業、執筆業、イベント企画業など。2012年頃から性の健康世界学会(WAS)の活動にも携わるようになり、現在に至る。
現在:性の健康イニシアチブ立ち上げ人/代表、日本性科学会事務局長 など。
https://masayoshiyanagida.tokyo/profile

講演概要

性の健康イニシアチブでは、2021年から「性の話を扱うためのアティチュード研修」と題した研修を行っています。この研修の内容はまだまだ発展途上で、より良いプログラム作りのために思考錯誤を繰り返している真っただ中です。

アティチュードとは「態度」を意味する英単語であり、この研修は対人援助業務に従事する方たちを主たる対象として、業務の現場で性に関するトピックが登場した時にどういう態度で向き合うといいのかを考えるきっかけとなるものです。
性の健康に関する研修というと、「知識や最新情報を教えてくれる研修」や「応対の技法を教えてくれる研修」はよく見かけますが、「その土台となる態度や価値観」について考えたり振り返ったりする研修はまだまだ少ないように感じています。

今回の講義では、「アティチュードが変われば実践が変わる」を合言葉に、対人援助業務に従事する人が、性の話を扱ううえでのアティチュードを身に着ける重要性についてお伝えします。この講義をきっかけに「アティチュードっていう考え方があるんだな」「自分自身のアティチュードを見直そうかな」と思ってくださる方が増えて下されば嬉しく思います。

目次
  • 導入
  • 「性の話を扱うためのアティチュード研修」のおおまかな内容
  • アティチュードの重要性に気付いた経験
  • この研修が大事にしているもの・参加することで得られるもの
  • 性の健康イニシアチブがこの研修を続けていこうと思っている理由

勉強会報告

参加した皆様のご感想
  • いろんな意見がきけて勉強になりました。
  • ノンジャッジメンタル 、主体者の主体性を大事にする 、科学的根拠のある情報を扱う、はとても大切で簡単じゃないといつも思っています。でもいつも心得ているために、このような機会はありがたいです。「性教育の目的は、初交年齢をあげる事」と聞いて、私はその目的で話してないかもな…と思いながら伺っていました。柳田さんの言葉のチョイス、一つ一つとてもステキだと思いました。
  • 社会的養護の現場へのヒントを頂いた気がします。施設の子ども達にとって性の問題は特に大事なのでまた色々教えてください。
  • 普段から考えていることでもありますが、明確に課題として示していただけてとてもよかったです。これからもこの課題について、考えていきたいと思います。
  • 支援者の態度について、間身体性について、とても興味深かかったです。支援者の本音と建て前(業務としての態度)、でも本音は変わらないという部分が非常に難しいと感じました。添えもの支援という言葉は今回初めて聞いたのですが、あるあるの事例に名称までついてしまっている現状に驚きでした。
  • 対人援助職のあり方としては納得できるお話でした。ただ性を語ることの難しさとか、子どもに向き合って話す時の心構えとかがうかがえると思って参加しましたので、もう少し踏み込んでお話ししていただけるとありがたかったと思いました。
  • 非会員で初めての参加でした。以前から柳田さんの「アティチュード研修」が気になっていたので、今回お話を聞けて良かったです。ディスカッションも多様な立場の参加者の方々と意見交換をお聞きできて、視野が広がりました。

当会では、女性の健康について学びを深める勉強会を開催しています。皆様のご参加をお待ちしています。