2023年度 第2回勉強会報告
性別違和をもつ子どもをどう支援するか

2023年度 第2回勉強会報告

性別違和をもつ子どもをどう支援するか

お詫び

この度は、わたくしどもの不手際により資料の共有ができず、講師の佐々木さまや参加者のみなさまに多大なご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。資料が映らない中でも非常にわかりやすいお話をしてくださいました佐々木さま、意義のあるご質問やご感想をお寄せいただいた参加者のみなさま、この場をお借りして感謝申し上げます。
今後はこのようなことがないよう努める所存です。
引き続き、宜しくお願い申し上げます。

性と健康を考える女性専門家の会 勉強会担当一同

講師紹介

佐々木掌子

2002年より精神神経科クリニックにて性同一性障害の臨床に関わり始める。2011年から1年3ケ月、トロント大学附属精神保健研究所に日本学術振興会特別研究員として留学し、性別違和の子どもとその家族の心理臨床を学ぶ。現在は、医療機関及び心理臨床センターにて小児・思春期・青年期の子どもとその家族の心理アセスメントとカウンセリングを行いつつ、後進を育成中。GID(性同一性障害)学会理事、日本精神神経学会「性別不合に関する診療と治療のガイドライン(第5版)」外部委員。明治大学文学部心理社会学科臨床心理学専攻准教授。臨床心理士、公認心理師。

講演概要

性別違和という現象は、早くは2、3歳ほどでみられることもありますが、この発達軌跡には個人差が大きく、まだまだ研究途上の段階であり、どういった要因がどのようなアウトカムに結実するか研究蓄積が乏しいのが現状です。そのため、変化に富む子どものセクシュアリティをどのように支え、どのように対応するべきか世界中で議論が沸き起こっています。

本講演では、まず性に関する混同しやすい概念である、性自認、性同一性、性役割、性別表現、性的指向などを一つ一つ丁寧に振り返り、identityという概念について深く考えていきたいと思います。

その上で、子どものジェンダーの心理発達に関する研究知見を紹介しつつ、性別違和のある子どもに関わる専門職の人たちに求められる対応について、参加者の皆様と共に考えていけたらと思っております。

勉強会報告

参加した皆様のご感想
  • 性別違和について、もっと勉強したいと思いました。研究の論文化も楽しみにお待ちしております。
  • スライドがなくて残念でしたが、後半は理解しやすい内容でした。性自認と同一性が違うという説明は「目からうろこ」でした。これまで間違った解釈をしていたと思います。また、モラトリアムを保障する、曖昧さの耐性を持つ、という考えは、特に中学生に届けたいと思いました。すぐに役立つ情報をありがとうございました。
  • 専門的な内容を含みながらもとてもわかりやすいお話でした。資料を拝見しながら受講できなかったのは残念ですが、佐々木先生のお話しだけでもとても勉強になりました。あいまいさへの耐性はジェンダーの分野だけではなく様々な分野、場面において必要な視点だと思いました。性自認とジェンダーアイデンティティの概念への理解が深まりました。
  • 家族の理解がある事が前提の話だったのか、家族の理解がなくともアセスメントを受ける事が可能なのか、なども聴きたかったです。
  • カナダ,UK,USの状況、期に応じた支援のありかた(①小児期(身体的性・Gender Identity・性役割を混同させない)②思春期から青年期(Identityをopenに尊重、モラトリアムを保障する))を学びました。支援する側が個人としてどれだけOpenで探求的であり、組織も含めあいまいさに柔軟であるかが大切だと感じました。困難な道のりであっても。
  • 資料の共有が行われなかったのは残念でしたが、言葉だけでもとても分かりやすくご説明いただき、勉強になりました。二次性徴抑制療法の効果査定が未完であること、モラトリアムの必要、難しいテーマを短時間に効率よくまとめていただいてありがたかったです。
  • とても分かりやすかったです。スライドが見れなくて残念でしたが、もしまた機会がありましたら次は拝見させていただきたいです。

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