2021年度 第4回勉強会報告
緊急避妊薬を突破口に!〜性と生殖に関する健康と権利(SRHR)が尊重される社会の実現に向けて〜

2021年度 第4回勉強会報告

緊急避妊薬を突破口に!

性と生殖に関する健康と権利(SRHR)が尊重される社会の実現に向けて

講師紹介

遠見 才希子

産婦人科専門医/緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト共同代表/Safe Abortion Japan Project代表

神奈川県生まれ。2011年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業。大学時代より‘もっと気軽に楽しくまじめに性を考える場’をつくるため性教育活動を始め、これまで全国900ヶ所以上で講演を行う。2018年より緊急避妊薬に関する政策提言を行う。2021年、緊急避妊薬のスイッチOTC化に関する厚生労働省の検討会に参考人として出席する。

著書
『だいじ だいじ どーこだ?はじめての「からだ」と「性」のえほん』(大泉書店)
『ひとりじゃない』(ディスカヴァー21)

DVD教材
『自分と相手を大切にするって?えんみちゃんからのメッセージ』(日本家族計画協会)

講演概要

コロナ禍において緊急避妊薬へのアクセス改善を求める声が高まり「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト」は15万筆超の署名を厚労省等に提出し、2021年10月、緊急避妊薬のスイッチOTC化に関する検討会が4年ぶりに再開しました。緊急避妊薬を必要とするすべての女性がアクセスできる権利を実現するため、そして女性や子どもの健康を守るために、緊急避妊薬を薬局でプロジェクトは、以下を要望しています。

  1. 人権尊重と科学的な根拠に基づいた議論を行うこと
  2. 全国的に薬局で緊急避妊薬の販売を行い、地域での相談体制・連携の強化を行うこと
  3. 緊急避妊薬の提供において、適切な情報提供を行うこと
  4. 使用者の負担や障壁につながり得る要件は避けること
  5. 緊急避妊薬はすべての女性が入手できる価格にすること
  6. 包括的性教育の普及・推進を行うこと
  7. 日常的な避妊法のアクセスを改善すること

次回の厚労省検討会は2022年2月に開催される予定です。
そこで、今一度これまでの国内の議論と国際的な推奨を振り返り、日本で“性と生殖に関する健康と権利(SRHR)”を実現していくために、どんな課題があるか、皆さんで一緒に考えましょう。包括的性教育や、セーフアボーション(安全な中絶・流産)についてもお話します。

勉強会報告

参加した皆様のご感想
  • 課題を取り巻く現状を知ることができ、かつ、現場で感じて来られた率直なご意見を聴くことができ、非常に有意義でした。
  • 私自身、アフターピルを処方してもらいに産婦人科に行こうか悩んだ事もあり、勉強会に参加して改めて日本の緊急避妊薬のアクセスへの障壁の大きさを感じました。現在の緊急避妊薬に関する取り組みについて学ぶことができ、自身の考えを見つめ直すことができました。多くの女性の権利を守り、緊急避妊薬にアクセスできないことに悩む女性が少しでも減る世の中になってほしいです。
  • 私はまだ学生の身ですが、特に女性の健康に興味があり、将来は、助産師や母性系の看護師になりたいと考えています。今回の勉強会に参加し、自分の考えはまだ不十分であるし、勉強不足であることを痛感しました。しかし、女性の健康を支えるための心構えやどうしていくべきかについて知ることができ、自分の勉強に活かすことができるのではないかと思いました。また何かの機会がございましたら、様々な勉強会に参加させていただこうと思います。
  • 性を人にどのように伝えるか、という観点でのお話も多く、大変参考になりました。

当会では、女性の健康について学びを深める勉強会を開催しています。皆様のご参加をお待ちしています。