2021年度 第1回勉強会報告
緊急避妊薬を薬局で~緊急避妊薬のアクセス改善を求める市民活動の実際とこれから~
2021年度 第1回勉強会報告
緊急避妊薬を薬局で
~緊急避妊薬のアクセス改善を求める市民活動の実際とこれから~
講演概要
6月7日に厚生労働省での評価検討会議において、医師の処方箋がなくても購入可能とするスイッチOTC化(市販薬化)の再議論が決まった緊急避妊薬。背景には、11万筆を越える署名が集まり、市民の声を受けて第5次男女共同参画基本計画に検討が盛り込まれるなど、若い世代を中心とする世論の後押しがありました。
私たちは性教育や若年層の性の健康の支援を行う中、コロナ禍をきっかけに、女性が健康を守るために、安心して、適切かつ安全に、緊急避妊薬にアクセスできる社会の実現を目指し、2020年に「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト(略称:#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト)」を立ち上げました。様々な関連団体やインフルエンサーと連携しながら市民活動として進めてきた経緯と、今後の展望についてお話しします。
- 緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト
https://kinkyuhinin.jp/ - 署名キャンペーン「アフターピル(緊急避妊薬)を必要とするすべての女性に届けたい!」
https://www.change.org/afterpill
勉強会報告
今年度、最初の勉強会は「緊急避妊薬を薬局で」。スイッチOTC化の議論が最初に出たのが2017年。多くの薬剤がOTC化していく中、緊急避妊薬は「女性や薬剤師の避妊や知識が不足している」という理由などから、OTC化「否」とされました。それから4年、講師の染矢さんはじめ、若い女性たちが当事者の言葉を届けるという活動をつづけ、ようやくOTC化「可」の兆しが見えてきたようです。
染矢さんが理事長をつとめる「NPO法人ピルコン」は、「日本の若者の性に起こっていること」に焦点を当て、当事者目線での活動を行っています。その中で緊急避妊ピルOTC化は非常に重要であり、2020年に「緊急避妊薬の薬局での入手を実現する市民プロジェクト(略称:#緊急避妊薬を薬局でプロジェクト)」を、遠見才希子さん、福田和子さんと共に立ち上げました。WEB調査で若い女性の声をまとめ、オンライン署名活動を実施し、オンライン診療の活用を訴え、とIT世代の強みを活かした活動と国会議員を動かすための院内勉強会の開催などの積極性が、薬局の方々をも動かし#緊急避妊薬を薬局でプロジェクトとなっていきました。
誰にどのように働きかけるのかを明確にすること、タイミングを逃さずに動くこと、この2点が注目を集めることにつながっているのだろうなぁと思います。今後はOTC化認可後の薬局との共同などで活動が期待されます。若い女性の力を思う存分発揮できるよう、社会全体で応援していきたいものですね。