第35回:処女膜について教えてください

今回は、のんさん(58歳・女性)、娘さんを持つお母さまからのご質問です。
「こんにちは。処女膜について伺わせてください。『男性との初体験の時に処女膜が破れて出血する』というイメージをずっと持っていました。漫画などでもそんなシーンを見かけた気がします。タンポンを使ったら処女膜はどうなるんだろう?と気になって、タンポンもずっと使えませんでした。
母親に聞こうにも、性器関連の話題はタブーという雰囲気の家庭だったので聞くこともできず、当時はネットもなく検索もできませんでした。
穴が開いていなければ生理の時の出血もないでしょうから、処女膜には穴があいているのでしょうか?タンポンの太さで破けるほどではないのでしょうか?
それとも、そもそも『初体験で処女膜が破れる』という認識が間違いだったのでしょうか?そう思っている男性も多いのではないかという気がします。
娘(おそらく男性経験なし)にタンポンを勧めようかと思い、今更ながら気になってきました。
先生のご意見を伺えますでしょうか。よろしくお願いいたします。」

貞夫先生から、性教育の現状について少し話された後、以下のお話がありました。

  • 処女膜は膜ではありません。膣の粘膜の「ひだ」です。まれに膜のように見える人もありますが、ごくまれです。そうでなくては、子宮からの月経血が膣から出てくることができません。ですので、タンポンを入れることは可能です。ひだはやわらかく、進展性もあります。が、まれにひだが厚い人もおられます。その場合は、性交障害などの問題が出てきます。その時は産婦人科を受診してください。
  • 初めての性交で、血が少し出ることはあっても、ビヤーっと出ることは絶対ありません。性交が終わったあとも出血が続くようなら、産婦人科を受診してください。
  • 娘さんには必要があればタンポンをすすめてください。アプリケーター付きで膣に入れやすいものもあります。
  • 処女膜というイメージはなくしたほうがよいですね。
  • 三砂ちづるさんの著書「昔の女性はできていた」にありますが、昔の女性たちは月経血を自分でコントロールしていたようです。

司会の小林さん、森下さん(助産師)からは、セックスは妊娠と性感染症の可能性があり正しい性教育が必要なことはいうまでもないが、正しい性教育をした方が性交開始年齢が上がるというデータもあることなどが話されました。
最後に貞夫先生からのんさんへ、「まだ学校では具体的なことを伝えられていないようなので、娘さんにも正確なところを頭に入れてほしい」とのメッセージがありました。

当会では、学校教育などに活用いただけるDVDを制作・販売しています。
以下をご参照ください。
https://pwcsh.or.jp/activity/project/education/

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