早乙女智子
代表理事
産婦人科専門医
日本性科学会認定セックスセラピスト
一般社団法人 性と健康を考える女性専門家の会 会長
日本性科学会副理事長
専門:性科学、生物人口学
いいおんなの日
一般社団法人 性と健康を考える女性専門家の会は、1997年11月8日(いいおんなの日)に設立しました。当時、日本で避妊の低用量経口避妊薬(ピル)がなかなか認可にならず、自分たち女性が何かしなくては、という思いで名誉会長の堀口雅子・貞夫先生のお宅に集結し、私たち女性が専門家として発言・行動していこうと当会を立ち上げました。それから20年以上経ちますが、日本社会で女性が置かれた立場は、残念ながら大きくは変わっていないのではないでしょうか。
男性に頼らない
私たちが会を始めるにあたって気を付けたことは、男性に頼らないことでした。女性が集まって何ができるの?とも言われましたが、女性だけで運営している朝日エル(岡山慶子会長、中村和代前社長)に事務局を置かせて頂き、堀口雅子名誉会長を中心にここまでやってきました。会員は性別を問いませんが、今でも理事以上の運営スタッフは女性です。20周年を迎えて、法人化するにあたって会の名称も議論になりましたが、世の中が変わらない限りこのままで行こうということになりました。
自信を持つ
まだまだ、自分のことが自分で決められない、決めて良いのだということに気付かない女性は多いものです。「自分で決めていいんですか?」という女性には、大人は自分の身体のことは自分で決めるものだとお伝えしていますし、子どもだって自分の意見を尊重されるべきなのです。男性だから女性だから、という前に人間として一人一人が尊重される社会を目指したいですし、そのためには自信を持つ、つまり自分を信じることが大切です。たかがピルで始まった会ですが、そのあとに来た女性医療の波や、証拠に元づく医療など、医療そのものの質も変わってきました。障がいを持つ人の性や、性別違和、高齢者の性など、見過ごされてきたことにも取り組むようになりました。華々しい成果はありませんが、地道に歩んできた自負はあります。
Women Centered
当会の特徴として、Women Centered(女性が中心)をぶれずに進めていることがあります。対象は女性だけでなく、性別に関わらず、「誰もが特別なニーズを持っている」と考え、一人一人のウェルビーイングを模索しています。
専門家として
ピルの認可に始まり、禁煙、性感染症予防、ワークライフバランスなど、時代のニーズに合ったプロジェクトを走らせてきました。性感染症予防プロジェクトでは、研究という形で啓発活動を行ってきましたし、子宮頸がん検診の細胞採取については、研修を受けたスメアテイカーが行う海外に習って研究として研修プログラムを実施しています。多忙な医師の仕事量を減らして検診を受けやすくすべきだと思います。当会は専門家として提言、啓発活動を行っています。
自分の意見を述べる
当会では、理事会や勉強会で自分の意見を述べることを重視してきました。誰かの意見に迎合することなく意見を言い、よりより議論をすることは、いかなる場面でも役立つスキルになります。
国際的な視点
海外の会員もおり、海外情報をいち早く取り込んで情報発信してきました。ウイーンのMUVS(避妊と中絶の博物館:Museum fur Verhutung und Schwangershaftsabbruch)や、避妊や中絶、性の健康などについて性の健康世界学会関係、海外の研究者とのつながりを持つなど、ますます国際的な活動も期待できそうです。
会員の皆様とともに、一歩一歩、私たちのあゆみを進めていきたいと思います。
今後とも、ご理解ご支援よろしくお願い致します。