第38回:女性の衣服で陰茎を擦ることで快感を得ています。性欲が強く、街を歩くだけでも苦行です。どこに相談すればよいですか?
今回はペンネーム浩司様、男性の方からです。(年齢は不明)
「私は子供の頃から女性への憧れが強く、女の子の服を着たいと思いつつも言い出せずにいました。女性のというよりも、女性が着るスカートやワンピース、ドレスなどへの憧れのかもしれません。
精通をする前から姉のスカートを履いて自慰をしていて、今までほとんどの自慰を女性の衣服で陰茎を擦ることで快感を得ております。特にスカートやワンピースを裏返しにして滑りのいい生地がついていると、特に気持ちよさを感じてしまいます。普通の手で行ってみたのが10代後半の頃ですが、射精には至れず、女性との性行為においてもかなりの時間を要します。オーラルセックスにおいても同様です。男性用のアダルトグッズも気持ちよさを感じません。彼女に性的興奮は感じますが、生地でこすることでしか快感と呼べるものは感じたことがありません。手じゃなくて、そのスカートでこすってくれなんて言えるわけがないので、女性との性的な行為は諦めています。恋愛対象は女性ですので、性同一性障害というわけでもないだろうと思い、自分は変態でしかないと思っています。
私は女性の下着には全く興味がありませんが、下着泥棒犯と同じような類なのかもしれません。相手の人生や自分の人生を考えると、私が罪を犯すことはないと思いますが、ニュースで下着泥棒や制服泥棒が捕まったりすると、一歩間違えればそうなるのかもしれない恐怖は感じます。私は性欲が非常に強く、女性の衣服に興奮するタイプなので、街を歩くだけでも苦行です。普通の人は裸や露出の多い服に興奮を感じるのでしょうが、服を着た女性が歩いている方が裸で歩いているよりも興奮します。万が一を消すために、男性でも入りやすい服屋や古着店などで、処理用に使用するスカートなどを探して毎日のように性欲を静めることで落ち着かせております。できれば治療したいと考えていますが、精神科に行けば話を聞いてもらえるのか、どこに相談すればいいのか、ご存知なら教えていただきたいです。ここにご相談する内容ではないかもしれませんが、誰にも言えないことでどこかに吐き出したいと思いがあり、メールをお送りしました。」というお悩みです。
雅子先生、貞夫先生に加えて、当会理事で婦人科医の福本由美子さんにもご一緒していただきました。
貞夫先生からは「悩みが悩みだからどんどん自分の悩みが積み重なっていってしまったというのが第一の印象。悩みに入り込んでしまうと、どんどん自分がおかしいんじゃないかと思い込んでしまう。他の人はどうなんだろうと思ってしまう。」そして、「精神科につながるのは方法の一つではあるが、精神科の医師全てがセクシュアリティについて対応できるということでもない」と、医学教育の中にセクシュアリティに関する学びが不足していることを指摘されました。
射精方法に関して、泌尿器科医師の今井伸さんから事前のコメントもいただいていました。
特に自慰行為で使用するものなどによって感触が違うこと、それ自体は間違っているわけではないこと、ただ、オーラルセックスや女性とのセックスの場合の多くがヌルヌルした感触であること、そのヌルヌルに慣れるために訓練することである程度クリアできるかもしれないことをご提案いただきました。まずは焦らずにゆっくり時間をかけてシフトしてみると良いと。そして、パートナーとお二人にとって心地よい着地点を模索してみるとよいとコメントをいただきました。
婦人科医でセックスセラピストでもある福本さんからは、性指向(好きになる相手の性別の違い)と性自認(自認する性別)は別なので、性同一性障害(現在は性別違和や性別不合と言います)の不安に関しては、精神科医に相談するのもよいかもしれないというお話がありました。性欲や性的興奮を感じられることは、治療も期待できるとのことでした。まずは、パートナーとのコミュニケーションを大事にすることとお話しされていました。
誰にも言えない悩みを抱えている方にとって、この動画が安心やヒントにつながれば幸いです。
セクシュアリティに関する専門的な支援を希望される場合は、日本性科学会のセックスカウンセラーやセックスセラピストへの相談をおすすめします。
一般社団法人日本性科学会 カウンセリング室
https://sexology.jp/counseling/
「性と健康を考える女性専門家の会」には、医師や助産師、薬剤師などの医療者のほか、性の健康の実現を目指している様々な職種、当事者の方々が参加しています。
入会については「入会のご案内」に記載がありますので、性に関して知りたい、話をしたいと思われる方は、ぜひご検討ください。

