第32回：風俗店で行為の最中、コンドームが破れました。相手には「病院に行ってね」と言いましたが…

ヒロさん（47歳・男性）から、以下のお悩みをいただきました。
「馬鹿だと思って聞いてください。10年以上前になりますが、風俗店に通い始めた頃、性行為も経験なく行為の最中、強くピストンしたためゴムが破れました。膣内に射精は全くしてはなかったですが、その後相手に病院には必ず行ってねと伝え、頷いて、その場で連絡交換せず去りました。今になってなんてことしたんだという強い後悔が残っています。その時自分はどうしていれば良かったのでしょうか。」

今回は、雅子先生、貞夫先生に加え、ゲストに当会アドバイザーの泌尿器科医、「コンドームの達人」の岩室紳也さんをお迎えしての相談室となりました。岩室先生からは、「泌尿器科は男性がメインですが、男と女の問題は一緒に解決しなくていけないとの立場から、産婦人科の雅子先生貞夫先生とずっとご一緒させていただいています」との自己紹介がありました。

ヒロさんのお悩みから見えてきたことは、コンドームを使っても感染する性感染症があることが浸透していないのでは、ということです。インバウンドの影響もあり近年激増している梅毒は、皮膚の接触で感染するためコンドームでは防げません。
梅毒の感染を防ぐには、２人が事前に梅毒の検査を受けること。梅毒は、感染後に発疹が出たりしますが、一旦消えてしまうので治ったと思って放置した結果、重症化します。最初に症状が出たタイミングで泌尿器科を受診して、梅毒の検査を受けてください。初期であれば、今は注射一本で治ります。

コンドームで性感染症を防げるという知識が広まっているのはよいことですが、コンドームの正しい使い方をしていない方も多く、効果が高いだろうとコンドームを二重にすることで、かえって摩擦が強くなり破れやすくなることも、知っておいてほしいです。
コンドームが破れたときはどうするか？男性はウイルスや細菌を尿道に入れなければよいので、すぐに排尿か射精をする。射精していなくてもその前に出ている分泌物にも精子が含まれているので、女性は妊娠の可能性もあります。今は緊急避妊も普及しているので、すぐに産婦人科を受診してください。

勃起したら、すぐにコンドームをつけること。「コンドームの達人」のホームページに、正しい装着法の動画が掲載されています。日本人に多い仮性包茎には、より丁寧な装着が求められます。ぜひ、ご覧ください。

「性と健康を考える女性専門家の会」には、医師や助産師、薬剤師などの医療者のほか、性の健康の実現を目指している様々な職種、当事者の方々が参加しています。
入会については「入会のご案内」に記載がありますので、性に関して知りたい、話をしたいと思われる方は、ぜひご検討ください。

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