2022年度 第3回勉強会報告
女性支援新法とは~生きづらさを抱えた少女たちと女性支援新法~

2022年度 第3回勉強会報告

女性支援新法とは

~生きづらさを抱えた少女たちと女性支援新法~

講師紹介

村木太郎

1954年北海道生まれ。1978年京都大学工学研究科修士課程を修了し、労働省(現厚生労働省)に入省、労働政策分野を中心に課長、労働局長等を歴任。2013年に厚生労働省を退職後、民間企業、公益法人を経て、2020年から大正大学地域構想研究所教授。大学勤務の傍ら、生きづらさを抱えた若年女性や少女たちを支援する若草プロジェクトや罪に問われた障害者を支援する共生社会を創る愛の基金などで活動している。

講演概要

今年の通常国会で「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が成立し、2024年4月から施行されます。
これまでは、こうした女性に対する支援は、DVやストーカー関連を除くと売春防止法に基づく婦人保護事業により行われてきました。売春防止法ですから、事業の目的は「売春の恐れがある女子の保護更生」です。これでは、現在の様々な生きづらさを抱えた女性たちを支援することが十分にできません。そこで、女性福祉を理念とする新しい法律ができたのです。売春防止法の「保護更生」の章は廃止されます。婦人保護事業には新たな理念に基づく新たな役割が与えられ、民間団体との協働も新たに定められました。
法律はできました。しかし、婦人保護事業が66年間の売春防止法に基づく活動を新たな役割へと変えていくことは容易なことではありません。協働するはずの民間団体もまだまだ不足しています。法律を実効あるものとするには、これからが正念場だと考えています。

勉強会報告

参加した皆様のご感想
  • とてもわかりやすいご説明でした。
  • 売春防止法が抱えていた課題、その解決のための女性支援新法に至るまでの議論の変遷を明確に教えてくださりとても勉強になりました。
  • アーカイブ視聴の予定があったら嬉しいです。
  • 「困難を抱える女性の支援」の考え方について、背景から一部の事例も含めて網羅的にお話頂きありがとうございました。新法については、行政の立場であっても担当部署が異なると全く詳細を知らずに降りてくることになるので、現場でも縦割りの弊害を意識して包括的に対応する必要があると思いました。理念法に終わらず、現場での対応においても支援する側と支援される側に分けられるのではなく、お互いがエンパワーメントしていけるきっかけになることを望みます。

当会では、女性の健康について学びを深める勉強会を開催しています。
皆様のご参加をお待ちしています

当会では随時会員を募集しております。ご入会いただきますと、今後の勉強会は会員価格でご参加いただけます。入会ご希望の場合は、「入会のご案内」をご覧ください。なお入会手続きには1~2週間程頂戴しております。何卒ご容赦ください。